変食
- 雪絵 後藤
- 2015年6月30日
- 読了時間: 3分
こないだ、同世代の知人と
「今でこそポピュラーな食べ物になってはいるけれど
子供の頃や学生の頃は考えもしなかった食べ物や食材がたくさんあるよねー。」
てな具合の話題になり、想像し思わずよだれをたらしそうになりながら相槌をうちつつ
高校2年生の時、語学研修でユナイテッドステイツオブなんちゃらへ行ったのですが
日本にはない華やかさや文化の違いのオンパレードで
無知なセブンティーンの心の中では艶やかなリンボーダンスを舞ってしまうくらい
高揚感に満ち溢れていたのでした。
とある日、ホストファミリーに連れられカフェで朝食をとった時の事。
まだ来たばかりで、ひとりで注文をするにはたどたどしいのでお母さんがパンを選んでくれたのですが
(その当時は珍しい中国人のお母さんで、言葉が伝わらない部分があるとよく漢字を用いて説明してくれ理解していたのです。家にはピアノがあったし、ホームシックどころかかなり生活に順応していたけれど
思い返すとめちゃくちゃ恵まれていたなぁ。)
その時食べた味が今でも忘れられない衝撃的な出会いでした。
そのパンとはベーグルのことで、微塵切りのオニオンが入ったパンに
クリームチーズを塗って口に入れるというなんともハイカラな所作で、
高校生のわたしからしてみればベーグルのあのもちもちした食感と
イチゴジャムとマーガリンしか知らなかった人間がいきなり柔らかいチーズをプラスチックのナイフで
おしゃれに塗っているわけですよ。おぅ!ファンタスティック!な気分にもなりますよね。
と、過去を蘇らせ含み笑いを交え話を聞いていました。
あとは大人と呼ばれるものになってからですが
香草の豊富さですかね。
子供の食の感覚のままだったならば、恐らく苦手だったのかもしれないですが
トマト系パスタに入れるバジルも
元々はミートソースしか知らなかったし(ローリエが香草の王様だと思っていました。)
そもそもまずなんやねんパスタって……スパゲッティーって今まで呼んでたやん!かっこつけてさぁ。
全然関係ないけどレギンスも前スパッツって呼んでたやん!もうそれでいいやん!ややこしわー。
(みたいな感じだと混同して勘違いしていましたが後に、スパゲッティーは麺の種類だということを知りました。)
他に、パクチーやミント葉、シナモン、ブラックペッパーが実ごと売っているなど
数え上げればきりがないですが
出始めた頃は否定気味に言われたものが年月を追うごとに認知されているものがたくさんあるなと感じます。
一番分かりやすかったのが米騒動の乱ですよ。
日本が米不足になってお米がないからといってタイ米輸入してきたのに
最悪だと新聞各紙がすごく文句を言っていたことに子供ながら違和感を覚えました。
「文化が違うから仕方がないし、食べ慣れてないだけやんかー。
これはこれでおいしいのにみんなまずいっていうから話合わせるのんしんどいー。」
などと思っていましたね。
この頃から日本には変化を嫌う人が多い保守的な人種だなと皮肉じみて考えていました。
嫌な小学生。
結局何が言いたかったかのというと
新しきものに今までの固定概念を押し付けず偏屈にならず流れに身を任せ
食に関しても食べず嫌いをなくし、
チャレンジ精神を持っていればどんどん未知なるものに遭遇できますよと。
人生であと何回ご飯を食べるんだろうという事を考えた時
一緒に食べる人で幸福感も変化するし、せっかくだから楽しもうよ。
というお話でした。
そんなわけで変化をいとわず、ややこしいと嘆かず
スパッツもレギンスと言うようにします。
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